「自分は健康だし歯も丈夫だから心配ない」という方でも、実は自覚症状がないだけで歯周病リスクを抱えていた――というのはよくあるお話です。生涯にわたって歯を失いたくないという方は、歯を失うリスクがある歯周病の予防対策をしっかり行っておきましょう。こちらでは、大和市下鶴間の歯医者「南林間ひまわり歯科」が歯周病の原因や症状、治療などについてご説明します。
わが国では、成人男女の5人中4人が歯周病にかかっている、もしくはその予備軍であるとされています。つまり、外見的には「健康な歯」に見えていても、それは自覚症状がないだけで、実際はほとんどの人が歯周病菌に感染していると言ってもいいような状況なのです。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる口腔内の疾患です。歯みがきが行き届かず、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの境目が汚れていると、そこで多くの細菌が増殖して悪さをし、歯ぐきの腫れや出血といった症状が表れます。この状態は、すでに歯周病がある程度進行している証拠。放置されがちですが、歯ぐきの腫れや出血を「発症のサイン」ではなく「進行のサイン」ととらえ、早めに歯科医院で治療を受けるようにしましょう。
仮に何の治療もせず歯周病を放置してしまうと、歯を支えている顎の骨が炎症によって溶かされ、最悪の場合は歯を失うことにつながります。歯を失うと、それがたった1本でも口腔内環境の急激な悪化を招くため、他の健康な歯を失ってしまうリスクも高くなります。深刻な歯周病になると顎の骨が大きく溶かされてしまうので、インプラント治療が困難になるなど、歯を失う以外の影響も計り知れません。
さらに最新の研究から、歯周病菌が高血圧や心臓病、糖尿病など全身疾患の引き金になったり悪化させたりする原因になることが明らかになっています。歯やお口はもちろん、全身の健康にもかかわる歯周病は、早期発見・早期治療でリスクを取り除きましょう。
下記のチェック表を活用して、ご自身が歯周病にかかっていないか自己診断してみましょう。 チェック項目が多ければ多いほど、進行の度合いが大きいことになります。
歯周病の進行段階にはいくつかのステージがあります。当院ではステージごとにきめ細かな治療方針を立て、的確な処置をしています。
歯肉炎を起こしてはいるものの、炎症は比較的軽度で痛みなどはありません。ただし、歯ぐきの腫れや出血をともなうこともあり、歯周ポケットが深くなっている場合もあります。
スケーラーという治療器具を用いて、歯周病菌が増殖する温床である歯垢や歯石を取り除きます。患者さまに痛みを感じさせないよう、細心の注意を払いながら処置をいたします。
キュレットという治療器具を用いて、スケーラーでは届かない歯と歯ぐきの間の溝に付着した歯垢や歯石まで丁寧に取り除きます。処置後は汚れが再び付着しないよう、歯の表面をなめらかに仕上げます。
炎症によって顎の骨が溶けはじめている段階です。歯が浮くように感じたり、歯ぐきの腫れやブラッシング時の出血がひどくなったります。強く咬みしめたときに痛みをともなったり、口臭がひどくなったりすることもあります。
局所麻酔をした上で歯周ポケット内の歯垢や歯石、歯周病に感染した歯肉などの組織をかき出します。比較的歯周ポケットが浅い場合に行う治療です。
歯周ポケットが深くなった場合は、歯ぐきを切開し、歯の根元に付着した歯石や歯周病菌に侵された組織を取り除きます。繊細な処置なので、マイクロスコープの拡大視野で患部を確認しながら確実に作業していきます。
歯周病菌が顎の骨の大部分を溶かしてしまっているため、歯がグラグラと不安定になっています。放置すればやがて歯が抜け落ちます。